交通事故の鞭打ち症




【 70代男性 】 車にガソリンを入れようと減速、左折するところを後ろから追突された。

ノーブレーキで追突されたものの、受傷直後は少し首が痛い程度だったそうです。
しかし、数日後 「 頭痛・頭重感・項頚部痛 」 上肢にまで倦怠感を感じるようになった。 

日に日に 「 気分の悪さ・顔の知覚異常・視力の障害 」 を訴え、当院を受診。


問診と検査で症状を検討した結果

「 頚椎捻挫型、頚部交感神経症候群 ( バレ・リュウー型 ) 」


と判断しました。

今回は交通事故の際、よくある 「 鞭打ち症 」 についてのご説明です。
鞭打ち損傷は臨床的に、大きく4つに分類されます。





鞭打ち損傷の80%を占め 「 寝違い 」 の症状に似る。
症状は、知覚異常・頭重感・頭痛・項頚部痛・上肢疲労脱力感などの不定愁訴。
二次的に発症する 「 斜角筋症候群 」 では前腕・手に知覚異常が見られることもあります。






何らかの原因により 「 頚部交感神経及び、椎骨動脈が傷害 」 されて起こり
めまい・耳鳴り・視力障害・顔面、上肢、咽頭部の知覚異常。

今回のケースです。 ( 別名バレ・リュウー型 )






椎間孔内外で 「 神経根 」 を圧迫し、自覚症状としては頭頚部から上肢・手の神経症状を呈して
くしゃみ・咳・頚部の伸展・側屈、回旋で症状が増悪します。

理学テストは ジャクソン・スパーリングテスト などが陽性。
他覚症状にはデルマトームの知覚異常・深部腱反射減弱・筋力低下。






上位頚髄が損傷し、横隔神経( C3,4,5 )が障害されてしまうと 「 呼吸麻痺 」 により
死の転帰をとることもある。 バイクの交通事故などで首の骨が折れて死亡するケースなど。




 

事故直後に交感神経が優位となっていて、筋肉の緊張も強く、痛覚神経がかなり過敏となっている為
軽い柔整マッサージで緊張を抜くように施術。

痛覚過敏が落ち着くのを見計らって、頚部・胸部に手技療法で調整していく運びへ。

施術後症状は軽減したが、患者さまの意向で 「 後から困らないように、しっかり完治させたいとの要望。 」

そこで、自費治療となる 「 鍼灸治療 」 を併用し、頚背部の深部筋の緊張を緩和
および自律神経系へのアプローチを加える施術を行っています。

非常に多い、鞭打ち症のケース。 交通事故の場合は保険適応となりますので、こちら をご参考に。